【6】
あぁ、あはははは。
あぁ、可笑しい?可笑しいかもしれない。昨日から後輩をちょっかい出していても、ずっと頭からモントの怪我が頭から離れなかった。俺ではない人が、モントに傷をつけた。
『…はぁ、泣きそう』
久々に怪我が少なかったからモントに褒めらるとおもったのに、怒られるわ、嫌われるわ。今日会いに行ったらさらに嫌われそうだ。
会いたくないのに、会いたいってどんだけすきなんだよ。
『…モント、』
『呼んだ?』
は?
『も、もも』
『僕、桃じゃないんだけど』
あ、まだ冷たい目だ。こんなに会いたかったのに、やばいわ、やばいっ。
『も、もんとっ、』
ポロポロじゃん、俺。声が裏声だし、今どんな表情なのかわからない。
『あぁ、…ごめんね、つい虐めちゃった。強がらなくていいよ』
『っ、』
『昨日は怒り過ぎた、申し訳ないくらいに、だから泣き止んで。へーちゃんごめんね』
悔しい、悔しい悔しい。
『ずるい』
『ずるいかもね』
『おれが許すとでも思うんっすか』
『僕がへーちゃんを見捨てないし、もし僕がへーちゃんから離れたとして、一番嫌なのはへーちゃん、君でしょ』
『…言いますね』
『へーちゃん帰っておいで、泣いてるへーちゃんなんてレアだからずっとこのままでもいいんだけど。』
うぅ、流石。
『だったら一つだけ約束して下さい。次に怪我したら俺は多分モントを傷つける、それでもいいなら、俺を抱きしめてください』
うわぁぁあ、絶対にこれやってしまった。やばいはずかしいけど、嘘じゃない次は俺が先に、誰かが傷つける前に…。
『あははっ』
『はぁ?』
『へーちゃんが、へーちゃんがっ、』
『ちょ』
『へーちゃんっ僕のこと大好きなんだねっ』
『はぁ!!』
『お腹痛いっ、知らなかったっ』
な、なな。!?
『わ、笑うなぁぁぁ!』
『はい、はい。おいで抱きしめてあげるから』
『わかりました…って!!はい?!!』
『いいよ、僕は気にしないしMじゃないけど』
後悔しないのかな、モントは。
『しないから』
何故かしらないけど、今日のモントはよく笑うやつだったってことは間違いなさそうだ。
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【7】2024/02/28
あぁ、傷残ってる。少しではあるけれど、きっと跡がなくなるのは何年もかかるかもしれない。特効薬を作って治療したけど、凄かったからなぁ。
『うわっ、これは酷い』
『あ、⚪︎⚪︎ちゃん』
僕の傷口をみて同じ救護班の子に言われた。確かに回復しているとはいえ、傷口の深さは酷いからね。僕じゃなかったら大事な利き手を失うところだろう。
『あ、でも。掴む感覚があまりないかも』
まぁ、気にしない。全く使えないほどなら邪魔者でしかないけれど、使えるなら。
『モント』
『へーちゃん、こんにちわ』
相変わらず怪我して僕のところに来た。全く自分が怪我をしてからこんなに怪我することは嫌だなっと思うし一生こんな目にはあいたくないって思うんだけれどへーちゃんはずっと続けてるんだなぁ。
『あ、包帯はいいんですか』
『うん、へーちゃんは喧嘩やめようとは思わないの?別に喧嘩しなくたって僕のところに来たらいいじゃない』
『…』
『どうしたの』
『ふ、どうでもいいじゃないですか』
『やめられないんですよ』